☆ゲームの種類☆


ダーツは単純に真ん中に当てたり投げた得点を競うだけのゲームとは違います。確かに得点を競うだけのゲームも存在しますが、それはあくまで練習ゲームのひとつとして捉えられています。これから世界的に共通する一般的な競技のゲームルールを中心に説明していきたいと思いますので、ここでダーツが実際どういうルールで楽しまれているかを知ってもらえたら幸いです。


『投げるときの共通ルール』

基本的にダーツは3本を1セットで取り扱い、投げるときは1人が3本連続で投げる。これをワンスローと呼び、スリーダーツと数える。ワンスローが終わると次の人に交代し、すべての人がワンスローを終えた時点で1ラウンドが終了する。これを2ラウンド、3ラウンドと順次進め規定の終了条件をクリアするまで繰り返す。


◆ファイブオーワン / 501

昔からスティールダーツを中心に世界中で最もポピュラーなゲームであり、基本的にダーツと言えばこのゲーム。百の桁を変更してゲームを行う事もあるため略してオーワンまたはゼロワンゲームとも呼ぶ。通常501点をスタート持ち点として得点分を減らしていき、いち早くちょうど0点とした者が勝利するという簡単なルールある。しかしちょうど0点にする際には条件があり、最後をダブルに入れてフェニッシュしなければならないダブルアウトフィニッシュと言うルールが存在しているため難易度と戦略性が跳ね上がる。そこで誰もが対等に戦うことができるよう、どこでもフィニッシュできるようにしたエニーフィニッシュと言うルールをその人限定で付け加えたり、百の桁に差をつけてハンディとして技術の差を調整する事もある。百の桁を変更するときは下一桁の1点は必ず残す。


1. 先攻の決め方

まずお互いにダーツを1本ずつセンター(インナーブル)に向かって投げ、より近い人が先攻となる。これをセンターコーク(正式にはミドルフォーディドル)と言い、略してコークとも呼ぶ。コークする順番はじゃんけんで決める場合が一般的だが、公式にはコイントスを行う事も多い。コークをした際、判定が難しい場合は両者の確認を得た後、投げる順番を変えて再投する。ダーツボードに刺さらなかった場合またはアウトボードに刺さった場合は得点エリアに刺さるまでその場で再投する。


2. ゲームの進め方

先攻の人からダーツを投げ、ワンスローの合計点をそのラウンドの得点とする。お互いにスタート持ち点の501点からそれぞれの得点を引き、残った数字はそれぞれ次の自分の持ち点となる。交互に投げ合い自分の持ち点をいち早くちょうど0点にした者が勝者となる。ただし0点にする際には以下のルールが設けられている事が多いためにゲームを始める前には事前に確認が必要である。


・バスト(01共通ルール)

残りの持ち点より多く得点を取ってしまった(持ち点がマイナスになった)時点でそのラウンドのスローはすべて無効として扱い、次の人に交代する。これをバストと呼びそのラウンドを0点とし次に進める。バストした場合は次のラウンドでバストする前の持ち点から再度始める。またダブルアウトフィニッシュの場合に1点が残った場合もダブルアウトができないため同様にバストとして扱う。


・ダブルアウトフィニッシュ

略してダブルアウトと呼ぶ場合が多い。ゲーム終了時の条件としてダブルに入れて終了しなければならないというルール。スティールダーツは通常このルールを前提とし、1~20の各ダブルかダブルブル(インナーブル)の21ヶ所いずれかのエリアに入れてちょうど0点にする事が必要である。持ち点が奇数になった場合はまずダブルを残すように偶数に調整する必要があり、上達を目指すためには効率的にダブルを残すようなアレンジを覚える事が効果的である。


※マスターアウトフィニッシュ

略してマスターアウトと呼ぶ場合が多い。ゲーム終了時の条件としてシングル以外に入れて終了しなければならないというルール。主にソフトダーツではこのルールが採用される事が多い。1~20の各ダブルかトリプル、ブル(ファットブルの場合)の42ヶ所いずれかのエリアに入れてちょうど0点にする事が必要である。


・リミット
両者ともダブルを決める事ができずに永遠と投げ続ける事を考慮してラウンドにリミットを設けている場合も多い。通常501では15ラウンド45ダーツ。301は10ラウンド30ダーツで設定される。リミットまでに勝敗がつかない場合、先攻を決めるときと同様にセンターコークを行い、より中心に近いものを勝者とする。このリミット内にフィニッシュする事が最初の目標となる。


3. 得点のとり方

適当に投げてもダーツが得点エリアに刺さっていれば得点になるが、相手に勝とうと思うなら効率的に得点を重ねる必要がある。そこでスティールダーツではダブルブルより面積が広く点数の大きいトリプル20を中心に狙う事が多い。ゲーム途中で奇数の調整やダーツ同士が弾かれる事を回避するためトリプル19もしばしば使われるが、いずれも左右に低い数字が配置されているので縦のラインを外さない事が重要である。一方ソフトダーツではファットブルでゲームを行う事が多く、トリプル20よりもブルのほうが効率的に点数を稼ぐ事ができるため、基本的にブルを狙う。


※501の最短は9本でナインダートフィニッシュと言いパーフェクトゲームとして取扱う

 1R - T20,T20,T20 ⇒ 60,60,60 = 180点 / 残り321点

 2R - T20,T20,T20 ⇒ 60,60,60 = 180点 / 残り141点

 3R - T20,T19,D12 ⇒ 60,57,24 = 141点 / 残り0点


4. ダブルの残し方

勝つためには残りの持ち点を50点、および2~40点の偶数点に調整してダブルエリアに入れる必要がある。ダブルの残し方にも定石があり、小さいダブルを残した場合はバストになる可能性があがるため、できるだけ大きいダブルを残すほうがいいとされ、一般的には32点か40点を残すように調整する。またどんなダブルでも入れてしまえばそれで勝ちとなるが、シングルに外してしまった場合のリスクや効率的にフィニッシュできるように考慮して考えられたものをアレンジと呼び、通常残り数字によってアレンジを基としたある程度決まった打ち筋が存在する。


  140流アレンジ表はこちら


5. ゲーム数の決め方

この1ゲームを 1 leg (ワンレグ)と呼び、先攻有利の面もある事から通常複数レグで勝敗を決める。3レグ以上の奇数レグ数をセットで勝敗を競う事が一般的で、先攻後攻はレグごとに交互に行う。3レグ勝負であれば Best of 3 legs と言い、その内2レグをとった時点で勝敗が決まる。最近では何本勝負と何本先取の数の誤解を招くのを防ぐ意味合いからも、先取り表記の First to 3 legs という言い回しも増えている。つまり Best of 5 legs と First to 3 legs は同じ事である。通常トーナメントにおいて勝ち残れば残るほどレグ数を増やして勝敗を決める事が多く、技術が上がるほど先攻の優位性が高まるために、先攻での勝ちを守りつつ後攻の時にいかに勝つかが全体の流れとして重要になる。この事から先攻で勝つ事をキープゲーム、後攻で勝つ事をブレイクゲームとも言う。

6. チーム戦
通常1対1のシングルス戦でダーツは行われるが、場合によって2対2のダブルス戦、3対3のトリオス戦、4対4のガロン戦が行われる。このような対戦を複合してチームとして勝敗を競う場合もあり、個人戦とはまた違った楽しみもある。チーム戦としてはよくリーグ形式で戦う事も多く、1チーム4人以上の編成とし、1001ガロン戦、501ダブルス戦×2、501シングル戦×4でそれぞれのチームがポイントを競う。




◆クリケット / Cricket

クリケットナンバー(15~20とブル)のみを得点対象とした陣取りゲーム的要素が強いゲームで、チェイス/Chaseやミッキーマウス/Mickey Mouseという別名もある。ソフトダーツで代表されるゲームのひとつとして通常01ゲームとクリケットをワンセットとして勝敗を競う事も多い。このゲームの特徴は自分の陣地で得点を得つつ、いかに相手の得点源を止められるかが勝敗の鍵となる。またこのゲームはコンピュータ機能にある程度頼らざる得ない部分とトリプルにある程度入らないと面白味に欠けるためスティールダーツでは通常行われない。


1. ゲームの進め方

先攻の人からダーツを投げ、お互いにスタート持ち点の0点からスタートする。同じクリケットナンバーに3本分入れる事をクローズと言い、先にクローズしたエリアは相手が同じエリアをクローズしてそのエリアをキルするまでは自陣としてそのエリアで得点を得る事ができる。この得点を得る事をプッシュと呼び、相手エリアのクローズに行くかプッシュに行くかが勝負の駆け引きとなる。勝敗はクリケットナンバーを全てクローズしつつ相手の得点を上回った時点で勝ちとなる。また規定ラウンドまでに勝敗がつかない場合は得点の高いほうが勝ちとなる。


・得点対象エリア(クリケットナンバー)

 15, 16, 17, 18, 19, 20, ブル

※各エリアはそれぞれシングルを1本/ダブルを2本/トリプルを3本/アウターブルを1本/インナーブルを2本として計算し、相手より先に同じエリアに3本入れる事により自分の得点源とする事ができる。この得点源は相手が同じエリアに3本入れるまでを有効とし、相手が3本入れた時点でそのエリアは消滅する。


2. 得点のとり方

基本的には得点の大きい20から先にクローズをして加点しつつ他のエリアのクローズを目指していく流れが一般的。相手が先に20に3本入れてクローズしている場合、こちらは同じ20をクローズして相手の得点源を潰しに行くか、空いている19を先にクローズして自分の得点源とするかの選択をしなければならない。20を狙った場合、20をうまくクローズできればいいが、失敗した場合、相手が得点を得たうえ19まで先にクローズされる可能性もある。19を狙った場合、自分の得点源を得られる可能性は高まるが、相手は次に得点を重ねるチャンスと捉えるかもしれない。このような心理戦がこのゲームの醍醐味でありゲームが終了するまで行われる。通常、相手より1点でも上回るためにプッシュしつつ相手のエリアをクローズしに行くパターンとなる事が多く、自陣がない場合はまず得点源の確保が重要と言える。




◆カウントアップ / Count Up

ワンスローの得点を加算していき8ラウンドの合計得点で勝敗を決める最も単純なゲーム。ソフトダーツの練習ゲームのひとつとして最初にお目にかかる事が多い。ブルなら8ラウンド×150点の1200点でパーフェクト、最高得点は8ラウンド×180点の1440点となる。




◆ラウンドザクロック / Round The Clock

1~20まで順番にダーツを入れていき、何本で終わるかを競うゲーム。ローテーション/Rotationとも呼ぶ。追加ルールとして20のあとにブルに入れる事を条件としたり、ダブルやトリプルを条件とするなどして難易度を変えたりもする。




◆ハーフイット / Half It

40点を持ち点としてラウンドごとに指定されたエリアに入れた得点を持ち点に加算していき、最終的な合計得点で勝敗を決めるゲーム。ただしワンスローで指定されたエリアに1本も入らなかった場合には持ち点が半分になるのがこのゲームの醍醐味であり名前の由来。指定エリアは通常、15,16,ダブル,17,18,トリプル,19,20,ブルと進む。