☆ ダーツってどんなの? ☆

” たわしたわし ” や ” パジェロパジェロ ” と言ってみたり。所さんは ” 行ってらっしゃい ” なんてダーツに行き先を聞いてみたり。誰がお土産代を支払うか決める際に現れるのがダーツ。とかく何かと運で物事を決める場合にダーツが使われる事が多いように思うかもしれませんが、それね、勘違いですから。



『ダーツの基本』

ダーツとはダーツボードと呼ばれる円形の的に、一定の距離から手投げの矢 [dart/複数形darts] を投げ、刺さったエリアにより得られた得点を元にゲームを進めて勝敗を決める射的競技の一種です。ダーツには大きく分けて2つの種類があり、ポイントと呼ばれる先端に金属を用いたスティールティップダーツ(略してスティールダーツやハードダーツ)と、先端に樹脂製の素材を使うことで安全性を高めたソフトティップダーツ(略してソフトダーツ)があり、それぞれ的の大きさや投げる距離に若干の違いはあるものの基本的にやっている事は一緒です。勝敗を決めるルールはゲームの種類によって異なり、ゲームによっては高度な戦略が要求されるため、単純に中心を狙うだけではなく、常に状況に応じて狙う場所を変化させていく必要があります。ゆえに狙った場所にダーツを命中させる技術面だけでなく戦略性やメンタル的な要素も勝敗に大きく結びつく非常に緻密でデリケートな面を有する奥が深い競技なのです。



『基本的なゲームの流れ』

プレイヤーは3本のダーツを持ってスローイングライン(以下スローライン)に立ち、ボードに向かって3本のダーツを続けて投げます。投げ終えたら自分の得点を計算して次のプレイヤーに交代します。この3本のダーツを投げる動作をワンスローと言い、順番に全員がワンスローを行った時点で1ラウンドが終了となります。これを繰り返し行ってゲームのルールに従い勝敗を決めます。ゲームには規定ラウンド数をこなして勝敗を決めるものもありますが、ゲーム内容によっては終了条件を満たした時点で勝敗が決まるため、基本的に先攻が有利となるゲームが数多くあります。



『スティールダーツとソフトダーツの違い』

◆鉄がスティール、プラスティックがソフト

見た目の違いとしては、先端が鉄製のダーツをサイザル麻製のボードに投げるダーツをスティールダーツと呼び、先端が樹脂製のダーツを樹脂製のボードに投げるダーツをソフトダーツと呼びます。スティールダーツは先端が針状になっているためボードに直接刺さりますが、ソフトダーツは樹脂製のボードにビットと呼ばれるいくつもの小さな穴があいてあるため、そのビットにダーツがすべりこむ形で刺さります。他の違いとしては的の大きさがスティールダーツは13.2インチ(約33.5センチ)であるのに対して、ソフトダーツは15.5インチ(約39.4センチ)とひと回り大きくなっています。投げる距離に関してもスティールダーツは237センチに対して、ソフトダーツは244センチという違いがあります。的の中心の高さだけは両方173センチで同じです。


◆自己計算がスティール、自動計算がソフト

最大の違いが得点の計算方法です。スティールダーツは刺さった場所を目視で確認するため、すべて自分で得点を計算する必要があります。そして相手にも刺さった場所がどこだったか、また計算に違いはないかを確認をする意味もあり、ダーツを抜くときは必ず得点をコールしてからダーツを抜かなければなりません。それに対してソフトダーツは自動計算機能がついているためチェンジボタンを押せばいいだけです。この自動計算機能のおかげでゲームの種類はソフトのほうが数多くあります。また投げたダーツにおいてもスティールはあくまで刺さらなければ得点となりませんが、ソフトの場合マシンが反応さえすればそのまま得点とみなす等、同じゲームでも若干のルールの違いがあります。


◆ゲーム性の違い

スティールは入れた者勝ち、ソフトは外した者負け。これはよく言われている言葉のひとつですが、スティールがソフトに比べてダブルやトリプルに入れる事が難しいために同じゲームをしていてもメンタル的には違いが現れる事をうまく表現した例えだと言えます。日本ではソフトダーツの自動計算機能によるレーティングシステムが支持される形でダーツが広まり、今ではゲームセンター、ボーリング場、マンガ喫茶、バー等で多くのマシンを見かけるようになり、手軽に楽しめるゲームとしてダーツの競技人口も増えてきましたが、世界規模でみればスティールダーツが歴史的には正統であり、また競技人口も多いのが現実です。日本ではまだまだスティールダーツの認知度は低く、また競技人口も少ないのが現状ですが、ソフトダーツをきっかけとしてスティールダーツに興味をもってくれる方が今より増えれば将来的には世界で戦えるプレイヤーもいずれ出てくるのではないかと思います。



『ダーツのアワード / Award』

ダーツを投げているとよく耳にする単語をここで軽くご紹介。勝敗には直接関係ないのだけれど、関係ないとは言えどもそれでも出れば嬉しいのがアワード。一定以上の高得点を出したり、難しいエリアにダーツを複数刺すなどすると、アワードとして特定の名称があったりします。言ってみれば必殺技みたいな感じ。ソフトダーツでは個人のカードに累計アワード数が記録されたりするものもある。


◆ハットトリック / Hat Trick

最初に誰もがやってみたい代表格のひとつ。ワンスローでブルに3本入れる事を言う。スティールダーツではインナーブルに限定する場合もある。


◆スリーインザブラック / Three In The Black

ワンスローでインナーブルに3本入れる事を言う。海外ではハットトリックやブラックハット、アランエバンスショットなどと呼ばれる。


◆トン / Ton

正しい発音はタンに近い。ワンスローの得点が100点を越えた場合、100点部分をトンとして扱う。またロートンをトンと略して使う場合も多い。またスティールダーツの場合トン数を最後に数える事が多く、トンが出た時には後から数えやすいように数字に丸をつける習慣がある。


◆トンエイティー / Ton 80

ワンスローでトリプル20に3本入れることを言う。トンパチや蜂と略す事も。ワンスローでの最高得点であるため他の得点とは扱われ方が異なる事が多い。


◆ハイトン / High Ton

ワンスローの得点が150点以上の場合をハイトンと言う。


◆ロートン / Low Ton

ワンスローの合計得点が100点以上、150点未満の場合をロートンと言う。


◆スリーインナベッド / Three In A Bed

ワンスローで同じエリアのトリプルかダブルに3本入れる事を言う。


◆ホワイトホース / White Horse

クリケットだけの専用アワード。ワンスローでクリケットナンバーの3つのトリプルにそれぞれ1本入れることを言う。ただし9マークできない場合はこれに該当しない。略して馬とも呼ぶ。


◆シャンハイ / Shanghai

ワンスローで同じ点数のシングル、ダブル、トリプルにそれぞれ1本入れることを言う。


◆ハイフィニッシュ / High Finish

ハイオフとも呼ぶ。01ゲームにおいてワンスローで高い持ち点からフィニッシュした場合を言い。一般的には100点以上の場合を個別に記録する場合が多いが、別途個人的な記録やその試合のフィニッシュにおいて最も高い点数などを記録するなどしてベストハイオフとして扱う場合もある。


◆9ダートフィニッシュ / Nine Dart Finish

略して9ダーツとも呼ばれる。ただし正式には9ダーツだけだとフィニッシュしているかが明確でないためパーフェクトゲームを意味しない。501において最短となる9本でゲームをフィニッシュさせることを言い、501におけるパーフェクトゲームを意味する。大規模な大会になると賞金とは別に賞金が設定されていることが多い。公式な大会での日本人9ダーツ達成者はまだいない。



『ダーツをする時の注意事項』

ダーツは相手があっての競技です。お互いが気持ちよくプレイするために最低限、以下の項目に注意するよう心がけましょう。

 ・野球投げ禁止

 ・ダーツボード以外に投げるの禁止

 ・人にダーツを向けない

 ・試合前試合後には必ず挨拶を

 ・相手の注意をそらす行為をしない

 ・投げている人の視界内にはなるべく入らない

 ・投げやりな態度をとらない

 ・リードしてても浮かれない

 ・紛らわしい投げ方はしない

 ・他人のダーツは無断で使用しない

その他、様々な状況によってルールやマナーはありますが、基本的には人にされてイヤな事はしない事が重要です。ダーツは競技ですので勝つ事も大事な要素だとは思いますが、同時にコミュニケーションツールのひとつと捉え、ルールやマナーを守って楽しくプレイしましょう。